<はじめる前に>
- Microsoft Excel 2007 以上がインストール済みパソコン+インターネット接続+A4対応プリンタの環境を前提に解説していきます。
- ブラウザは、Chrome(クローム)をお勧めします。
- ガイダンスで登場する数字の単位はすべて(mm=ミリメートル)です。
- 「HiAデザイナー」Excelファイル内には、当方で設定した計算式が存在します。 作業中、誤って削除したり、他のデータで上書き保存してしまうこともありますので最初にファイルを複製しておきましょう。
<本ページで学べること>
1.ガイダンスシート内のサンプル作品と同じものを作り、基本操作を学びます。
2.印刷した作品を採寸し、制作したい作品サイズからその比率を求めます。
3.HiAサイトにアクセスし、ヒンメリ計算機で材料サイズと本数を導きます。
「ヒンメリのデザイン~制作直前までの準備」一連の流れを感じていただけます。 じっくり取り組んで約 1時間。 勘のよい方なら、15~20分で概要を掴むことができるでしょう。 本ページをスマホでお読みになるだけで、何ができるのか?をおおよそご理解いただける方もいらっしゃると思います。 間が空いた時は、2~3回繰り返されるとより理解が深まります。
本記事後半では「完成写真」も紹介していますのでお楽しみに!
1.デザイン
本ガイダンスでは、HiA会員登録なしで「ヒンメリ計算機」を試用できる双三角錐(六面体)基本パーツで構成された サンプル作品を例にとって解説を進めます。
「HiAデザイナー」ファイルを開くと以下のような画面が開きます。
画面が違っていたら下部にあるシートタブの「ガイダンスシート」を選択しましょう。
「方眼スペース」にあるサンプルと同じものを作ってみましょう!
[注意]:サンプル作品は最後まで「方眼スペース」から移動しないでください。
【1-1.】「基本パーツ双角錐」「基準比(bp002)」の基本パーツ画像を、キーボードの[ctrl]キーを押しながらマウスで[右クリック]したまま摘み、上部「作業スペース」で離してコピーします。
【1-2.】同じ要領で「黄金比|横(bp015)」、「黄金比|縦(bp008)」を「作業スペース」にコピペします。 なお、サンプル作品中心部の「黄金比|横(bp015)」では、両端の頂点から「基準比(bp002)」を 3個ぶら下げる(双三角錐のため)ので、最初にコピペした「基準比(bp002)」をさらに 2回コピペしておきます。
【1-3.】サイズ変更する前に、サンプル作品と同じデザインに配置にすると「作業スペース」に予め置いてある「素案」と同じになることを確認ください。 ここで間違えが見つかったら正しくやり直してください。
画像編集ソフトのご経験があるとここまで 3分もかからないかもしれません。
【1-4.】「作業スペース」のサンプル作品の大きさに近いように各パーツ別に基本パーツ画像をマウスを使って拡大縮小してサイズ調整します。
[注意]:縦横比が崩れないよう 4端いずれかの「〇」印を摘んで拡大縮小します。 上下左右の「□」印箇所で拡大縮小するともうその基本パーツは使えなくなります。
【1-5.】すべての基本パーツをサンプル作品に近いサイズに調整し、同じようなデザインに再度配置します。
【1-6.】「方眼スペース」すぐ右側にある「吹き出し付き付箋」の①~④を各パーツ付近にコピペし、基本パーツの「数」をサンプル作品と同じように入力します。
【1-7.】「各基本パーツは何角形なのか?」をぱっと認識できるように、真上ビューイメージ「補助パーツ」を「吹き出し付き付箋」付近にコピペして添えます。 今回は、双三角錐なので「3」が入った三角形です。
これでデザインは完成です!
この規模のヒンメリであれば 一作品10分かからず設計できてしまいます。
お気づきの通り、ここまでExcel本来の表計算機能は一切使っていません!
慣れてきたら、吊り糸や補助パーツで装飾するとデザインがますます楽しくなります。
[注意]:ご自身で作られたサンプル作品は「方眼スペース」には移動せずに「作業スペース」に置いたままにしてください。
2.パーツ比率計算
デザインはできましたが、「材料サイズ」や「本数」がわからないと制作できません。
計算不要!数値を入れるだけの「パーツ比率計算」
【2-1.】「方眼スペース(設計書)」とその直下にある「計算書」を印刷します。 ファイルの初期設定で A4縦サイズ片面 2枚が印刷されるように範囲指定しています。
【2-2.】印刷したサンプル作品全体の縦サイズ(基本パーツ①+②+④)を定規で採寸し、「パーツ比率計算」の「1-1.」に半角数字で「178」と入力します。 採寸の基点~終点ですが、頂点の厚みの中心から中心までを目安に測ります
[注意]:採寸が 178でなかった場合、自身でデザインした作品に差し替えてしまっているか、拡大or縮小されて印刷されている可能性がありますのでご確認ください。
【2-3.】実際に制作したい作品の全体縦サイズ(ここでは 200mmとします)を「1-2.」に半角数字で「200」と入力します。
各基本パーツの一方向だけ採寸して比率を求めるだけ
各基本パーツ毎に材料サイズの計算と本数を確認し、その結果を「計算書」にメモしていきましょう。
【2-4.】基本パーツ①~④のそれぞれの縦サイズを定規で採寸し、わかりやすいように「吹き出し付き付箋」にメモしておきましょう。
<①のY’=43、②のY’=56、③のY’=33、④のY’=76>
【2-5.】「パーツ比率計算」の「Step2」「2-1.」に、①~④の「Y’」の数字を順番に入力し、自動計算された「2-2.」の数字を「計算書①~④」のそれぞれの「Y」欄(背景色オレンジ)にメモします。
<①のY=48、②のY=63、③のY=37、④のY=85>
[参考]: 本サンプル作品の全体縦サイズは、理論上、基本パーツ(①のY+②のY+④のY)の合計と近似値になるはず。 今回の場合「196(=48+63+85)」と、実寸ベースで 4㎜ほどの誤差がありますが、制作時には、材料の直径、パーツ間のすき間、自重によるたわみ、作者のクセなどの不確定要素も加わるため、まったく問題のない誤差とお考えください。 制作を重ねていくうちに自身の誤差範囲は感覚で掴めていけるようになります。 ここで大事なことは、計算結果に大きな誤差(入力ミスが主な原因)がないかの「簡易チェック」で判断いただければよいでしょう。
3.ヒンメリ計算機
HiA公式サイトにアクセスし「ヒンメリ計算機」で材料計算!
[注意]:ここではインターネット接続が必要です。
「HiAデザイナー」で求めた各基本パーツの縦サイズ「Y」を元に、「HiA公式サイト」で各基本パーツ毎に材料サイズを算出し、必要な本数も確認していきましょう。 ガイダンスシートの「計算書」には、予め数値結果の答え合わせ用に、各基本パーツの計算結果と本数が入力されていますが、以下解説に沿って作業し結果を確認してみてください。 本来ここは空欄なので、本番ではご自身でメモすることになります。
【3-1.】「HiAデザイナー」のガイダンスシート「基本パーツ双角錐」表の「ha106102」をクリックし、該当する基本パーツのHiAサイトページ( https://himmeli.info/work/ha106102/ )を開きます。
【3-2.】ページ内「ヒンメリ計算機」の「Y」欄に【2-5.】で求めた数字を入力すると「完成図」に割り振られたa,b,c,..に対応した各材料サイズが瞬時に計算されるので、その数字を「計算書①」と同じ結果になるかを確認。 同ページに記載されている「本数」も確認します。
【3-3.】同じ要領で、サイズ違いの「ha106102」、そして「ha106108」と「ha106115」の材料サイズ計算と本数を繰り返して数値が合っているか確認しましょう。
【3-4.】「計算書①~④」には「作品コード」もメモしておくと後々わかりやすいでしょう。 また、「ヒンメリ計算機」で材料計算した際には「完成図」を参照に「設計書」の基本パーツ各辺に「a,b,c…」をメモしておくとよいでしょう。 今回ガイダンスシートのサンプル作品には「a,b,c」を振っておきました。
これで、ヒンメリ制作直前までの作業は終わりです!
エクセル!と身構えていた人もほっとしたのでは!?
今回、スタッフがガイダンス用に 2分でデザインし、30分ほどかけて組み上げた作品がこちらです! 完成した作品の縦サイズは 210mmほどでした。
ゼロベースのデザイン着想から制作までその日のうちに一人で完結できるんです。
いかがですか? この再現力。
みなさんもぜひ、実際に制作してみてください!
各基本パーツの作り方(レシピ)は、HiA公式サイトの各基本パーツページで紹介していますが、制作を重ねれば、「設計書」と「計算書」の 2枚が手元にあればパソコンの前でなくても制作できるようになります。
デザイン起こしから制作直前まで、今まででは考えられなかったスピードで準備できるようになりますし、普段から、ちょっとした合間に素案を蓄積しておけば、制作スピードはさらに一段階早まるはずです。
何よりも「オリジナルのヒンメリなんて自分で作れるとは想像もしていなかった!」ことが、今ここで覆ったことに驚かれた方も多いと思います。
もちろん、与えられたデザインを手本に制作するのも楽しい作業ですが、自分で創作したヒンメリが実際に形となっていく喜びはまったくの「別腹」で「別格」です。
この無料の「HiAデザイナー」をきっかけに、おうち時間にヒンメリを取り入れたり、教室運営やワークショップ主宰を目指される人が増えていくと嬉しいです。
HiAは、これからもヒンメリが日本で永く広く伝承されていくお手伝いをしていきます。
さらにすごいのはじまる!
基本パーツを組み合わせた「HiAユニット」無料配信スタート!
今回リリースしました「HiAデザイナー」は、ゼロベースからヒンメリをデザインできる、言わば「まっさら」状態のため、「デザインがちょっと苦手…」「自由度あり過ぎてできるかな?」という方もいらっしゃると思います。
そこで、HiA造形部がデザインした「設計図」を「HiAデザイナー」に搭載したExcelファイルを定期的に配信するサービスをスタートさせます。 ファイルを開けば、設計図はもうできているので、あとは「作りたいサイズ(H)」を決めて、HiAサイト各基本パーツページ内の「ヒンメリ計算機」で「縦サイズ(Y)」を入力するだけで制作準備ができるようになります。
もちろん、例えば「ここの基本パーツは五角錐から六角錐にしたい。」などのアレンジも自由にできます。
「HiAユニット」ファイルは、すべての人がダウンロードでき、永年無料でご利用いただけますが、いつでも試用可能な基本パーツ以外のアクセス制限解除には、本会員登録が必要となります。 7日間トライアル中でもフルアクセスができます。 機能をお気に入り、本会員(年額 3,960円<月わずか 330円>)手続きいただくと、全基本パーツを 24時間365日いつでも材料計算したり、レシピ閲覧できるようになります。