材料・備品

ストロー

ヒンメリをつくる上で欠かせないのが、材料となる「ストロー」です。
この装飾工芸本来の素材は「天然の麦わら」で、品種で言うと「ライ麦」の「先節(さきぶし)または二節(にふし)」などが伝統的に使われてきました。

北欧は寒冷で痩せた土地なので、そもそもライ麦しか育たなかったということも聞きますが、日本では気候や土壌が稲作に向いていたため、2000年以上前、縄文時代後期から栽培されてきたにもかかわらず、お米のようなメジャーな作物には育たなかったといわれています。 それもあって、材料として誰もが気軽に入手できるものとはいえません。

ふだん使いは「プラストロー」

経験者の方であればすでに取り組まれている方法ですが、改めて、HiAからも、ふだん使いは「プラスティック製」のストローを積極的に活用することをオススメします。 手軽に入手できますし、サイズが均一で端割れすることもなく丈夫なので、ビギナーや練習用にピッタリです。

オススメは、アートナップ株式会社「トロピカルストロー」。
太さ・質感が麦わらに近くて、ヒンメリにピッタリ。
長さがあるとなおよしですが、同スペックの色違いがあるので、個性的な装飾表現に挑戦もできて楽しい。 Amazonから購入できるのですぐに届いて取り組めます。

ビギナーの方は、まずはプラストローを活用してどんどん作ってみましょう。
ヒンメリの楽しさをより感じられるようになります。

天然の麦わらへのこだわり

「HiAスタッフは材料どうしているの?」と聞かれますと、はじめて作る作品、HiA登録作品に掲載するための試作品は、上記で紹介したトロピカルストローを使っています。 ほんとです。 天然の麦わらについては、2008年から毎年、自分たちの身の丈にあった方法で入手しています。 もちろん「ネットで手軽にゲット」ではなく、手間と時間がかかります。

具体的にいうと「知人を頼った入手方法と自家栽培」です。
生産者を介すと、単なる材料入手だけではなく、そこには、ヒンメリが生まれた本来の願いや想いの背景が、現代の感覚にも通じていることに気づかされます。

「五穀豊穣、家内安全」日本には、古来から自分や家族の幸せに願いを込めた様々な風習・文化があります。 振り返ると、私たちが 10年以上、ヒンメリをコツコツと続けてこれたのは、自分や身の回りの人の幸せを願って、ひと紡ぎ、ひと紡ぎしてきた「習慣」があったからだと思います。

「えー、そんな面倒なことまでできないよー」と最初は思うかもしれません。 もちろん無理強いしません。
ただ、そんな時節につくる特別な作品には、やっぱり、天然の麦わらを使いたいですよね。 さらに言うと、どんな環境で栽培加工されたのかわからないものより、出処のわかるもので。
ヒンメリつくっていると「無理のない範囲でそのようなこだわり持てたらいいな。」といだくようになります。

ヒンメリのつくり手が、新しい入手方法に踏み出すきっかけの一つになればと、わたしたちが今まで経験したことを「麦わら入手方法」および「麦わら下処理方法」にまとめています。 本会員の特典コンテンツとなりますが、興味ある方はぜひご参考ください。 また、自家栽培方法についても HiAムギ部から今後レポートしていきます。

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糸(たこ糸)

ストローを幾何学模様に紡いでいく縁の下の力持ち。
HiAでは、登録作品のつくり方で「糸」と表記していますが「たこ糸」を指します。
ナイロン糸は、ストローを繊維方向に割いてしまいがちなのでオススメできません。
サイズが、1号~2号ほどのたこ糸がよいでしょう。
複数の作品に取り組むなら、最初からロール状で購入した方がコスパは良いです。
麦わら糸には、ナチュラルな「生成り」を合わせるのが一般的ですが、単調になりがちなので、思い切ってカラフルなたこ糸で挑戦するもの楽しいですね。