ヒンメリは、ストローに糸を通し、連結していくことで複雑な幾何学模様を生み出します。
ここでは、様々な作品を制作する上で必要な「共通作業」を紹介しています。
通す
登録作品ページ「つくり方」解説文中に登場する「通す」「通し」に関する作業やTipsについて紹介します。
作業イメージを言葉にすると、「ヒンメリ通し針にたこ糸をセットした道具をストローに1本1本通していく」ことになります。
まず、ヒンメリ通し針にたこ糸をセットした状態ですが、針穴に通した糸の一方は針寄りに短めに、もう一方の糸は長めに配置します。 これは裁縫における「1本取り」と同じ要領で、ヒンメリは「糸1本でストローをつなぎ留めていく」のが基本となります。 長さの配分は好みもありますが、短すぎると作業中針穴から抜け落ちてしまうので注意が必要です。
天然の麦わらの場合、金属針ではまったく通していけない径のストローであることもありますが、HiA独自のヒンメリ通し針を自作すれば、いままで通すことができなかったストローも活用できるかもしれません。 同じ通し針を使っている人を見かけたら、きっとその人も「HiAの本会員仲間」です。
制作していく上での注意点としては、まずは「つくりはじめ」です。
例えば、最初に三角形をつくる場合、連続して 3本のストローに糸を通していくことになりますが、三角形の頂点で糸を結び留めるまでの間の作業で油断していると、反対側の糸先から通したストローが抜け落ちたりします。 これ本当に起きます。 もう10年以上やってても抜け落ちるんです。 対策としては、 ヒンメリ通し針にたこ糸をセットした時、長めに配した方の糸先にマスキングテープをとりつけてストッパーの役割を担っていただくのです。 ひと手間ですが、抜け落ちてイラっとすることもなくなります。
もう一つの注意点は、「糸の長さ」です。
構造が複雑だったり大きな作品をつくろうとしたとき、はじめからとっても長い糸をヒンメリ通し針にセットしてしまいがちですが、1本1本ストローに糸を通していく距離が長くなるだけですから、これは明らかに非効率です。
また、経験を積めば積むほど、おそらく号数の小さいたこ糸を使っていくことになると思いますが、糸が長いことで作業中緩みが増えるとその分、糸が撚(よ)れやすくなり、気が付いたら思わぬところで結び目ができてしまっていることもあります。 号数が小さい糸の結び目を解くのはとっても難儀です。 気がついたら糸をだいぶ無駄にしていることも。。。
このようなことが起きないよう、HiAでは作品に関係なく毎回「片腕分の長さの糸しかセットしない」ことをおススメしています。 日本人女性で約70cmほどになると思います。 でもこれでは明らかに長さが足りないことがほとんどです。
では、どうするかというと短くなったら作業途中で「継ぎ足していく」のです。
継ぎ足した結び目は、ストローの中に隠れるように意識して調整すればまったく問題ありません。
このことでトラブルがほとんどなくなり、ストレスなくモノづくりに集中できます。
頻繁に糸を継ぎ足すためには金属針の場合、毎回針穴から糸を一度引き抜いて延長し、また通しなおす必要があります。
しかし、HiAヒンメリ通し針を使えば、金属針穴に相当する穴径は、何十倍もあるので、そもそも糸を通し針から外すことなく延長し、作業を続けることができるので作業効率に格段の違いが出てきます。
結ぶ
登録作品ページ「つくり方」解説文中に登場する「●●結び」に関する作業やTipsについて紹介します。
ヒンメリでは、図形の頂点や接点で糸を結ぶ作業が必要となります。
HiAでは、その結び方により、以下の言葉を使い分けています。
本結び
2本の糸をつなげる結び方のひとつで、ヒンメリでは、つくりはじめ、最初の図形を結び留めるときや、図形パーツ同士を連結するときなどで使います。 リーフ・ノット(Reef knot)、スクウェア・ノット(Square knot)などと言います。 結び方は簡単「ごみ袋の口を二重に結ぶ」そうあの結び方です。
ひと結び
1本の糸をすでに作成してある糸に交差したり接するとき、巻きつけて縛り留める結び方のひとつで、主に制作途中や作品を最後に始末するとき使います。 ハーフ・ヒッチ(Half hitch)、シングル・ヒッチ(Single hitch)、シンプル・ヒッチ(Simple hitch)などと言います。
結び方は簡単「みかんネットの口をクルリと一重で結ぶ」そうあの結び方です。
しっかり固定したいときは、2回繰り返すといいでしょう。
くくる
すでにつくってある糸に、交差したり接触するとき、ひと巻きまたは、ふた巻きして固定する方法で、主に制作途中で使います。 登録作品ページ「つくり方」解説文中では、その箇所を($)という記号で表しています。
「$」って、なんだかくくった状況を表しているようにみえてしまって。
仮結び または 仮留め
一時的に固定するため、調整が終わったあとの本留め作業時に行います。 結び方としては、本結びの二重結びを一重結びだけにしてすぐに解けるようにするイメージです。
始末
登録作品ページ「つくり方」解説文中で「始末する」とあったら、それは、制作途中や最後に生まれた余分な糸をすべて処理するという意味になります。
方法としては、結び目ギリギリでカットしたり、はみ出た糸をストローの中に隠したりしてきれいに整えてあげることになります。
また、複数の図形を束ね重量がかかる箇所は、ひと手間、ボンドで留めてあげると作品の寿命も大きく変わってきます。